目的:乳がんの高齢女性における施設の治療ガイドラインとの一致のパターンと予測因子を明らかにすること。
Methods: 1997年7月から2002年1月の間にM.D. Anderson Cancer CenterでI~IIIA期の浸潤性乳管・小葉乳癌の治療を受けた55歳以上の患者1,568名を対象とした。 最終手術療法、乳房温存手術後の放射線療法、乳房切除術後の放射線療法、補助化学療法の使用、補助ホルモン療法の使用について、施設のガイドラインとの一致が判定された。 以下の変数が一致度の修飾因子と考えられた:患者の年齢、配偶者の有無、人種、教育水準、Eastern Cooperative Oncology Groupのパフォーマンスステータス、併存疾患スコア、臨床病期、ホルモン受容体の状態、HER2-neuの状態、腫瘍グレード、病理学的腫瘍サイズ、リンパ節転移、リンパ節転移の数。 ロジスティック回帰モデリングを行い、ガイドラインとの一致に対する各変数の独立効果を調べた。
結果 高齢の女性では,最終的な外科療法(P < .001),腫瘍摘出術後の放射線療法(P = .03),補助化学療法(P < .001),補助ホルモン療法(P < .001)に関するガイドラインと一致した治療を受けていない可能性が高かった。 多変量解析では、年齢>または=75歳は、最終的な外科療法、アジュバント化学療法、およびアジュバントホルモン療法のガイドラインからの逸脱を予測させた。 非白人人種は、乳房温存後の補助放射線療法の可能性の低下と関連していた。
結論 合併症スコア,人種,配偶者の有無,教育状況,臨床病期,腫瘍の特徴を調整したところ,患者年齢の上昇は,最終手術,補助化学療法,補助ホルモン療法に関するガイドラインの一致率の低下と独立して関連していた。 今後の研究では、ガイドラインの不一致の原因となりうるものを明らかにすることに焦点を当てる必要がある。