Background: 脊髄刺激療法(SCS)による疼痛緩和は,歴史的に慢性的な疼痛部位に重なる知覚障害に焦点が当てられてきた。 腰部では知覚障害を十分にカバーし、痛みを軽減することが難しいため、腰痛の治療よりも脚部痛の治療においてSCSの使用がより高いレベルのエビデンスで支持されている。 それに比べ、10kHz高周波(HF10療法)SCS療法は、術中の知覚マッピングに依存せず、治療中も知覚のない状態を維持することができる。
目的 HF10療法と従来の低周波SCSの長期成績を比較する。
Methods: 11の総合疼痛治療センターにおいて,24か月間のフォローアップを伴う実用的な無作為化比較試験(pivotal trial)を実施した。 被験者は腰痛と下肢痛のVisual Analog Scaleスコアが5.0/10.0cm以上であり,HF10療法と低周波SCSに1:1でランダムに割り付けられた。 主要評価項目は、3ヵ月時点でベースラインから50%以上の背部痛の軽減と定義されたレスポンダー率で、12ヵ月時点での副次評価項目が設定された(既報)。 本論文では、24ヶ月の副次評価結果を示す。 まず非劣性が評価され、実証された場合は優越性の検証が行われた。
結論 本研究は、腰痛と下肢痛の両方に対して、従来のSCSと比較してHF10療法の長期的な優越性を証明した。 HF10療法の利点は、慢性疼痛患者の管理に大きな影響を与えることが予想される。
略語。 IPG, implantable pulse generatorMCID, minimal clinically important differencePI, permanent implantODI, Oswestry Disability IndexSCS, spinal cord stimulationVAS, Visual Analog Scale.