目的:慢性閉塞性肺疾患におけるエアトラッピングの定量的評価。 本研究の目的は、対になった吸気・呼気体積MDCTスキャンを用いたair trappingの検出と定量化のための減衰閾値を決定し、このdensitometric parameterが肺気腫の程度にかかわらず慢性閉塞性肺疾患(COPD)の気道機能障害の定量化に使用できるかどうかを評価することであった。
材料と方法 本研究では,64-MDCTを受けた36名のCOPD患者を対象とした。 減衰が-500~-1,024Hの肺全体を全肺としてセグメンテーションした。 減衰量が-500~-950Hの肺体積を限定肺とし,-950H未満の肺体積を肺気腫としてセグメントし,除去した。 吸気・呼気CTにおいて、-850〜-950Hの閾値(n)以下の減衰値を持つ限定肺の相対容積(相対容積(n-950))および全肺の相対容積(相対容積(<5705>n))を求めた。 そして,全肺の呼気後相対容積の差(相対容積変化(<n))と制限肺の相対容積の差(相対容積変化(n-950))を算出した. 平均相対容積が-950H未満の患者を2群に分類し,デンシトメトリーパラメーターと気道機能障害を反映する肺機能検査(PFTs)との相関を評価した.
結果 中等度から重度の肺気腫群(相対容積(<-950)> 15%)では、相対容積変化量(860-950)とPFTの結果に有意な相関が見られたが、相対容積変化量(<-860)とPFTの間には有意な相関が見られなかった。 最小または軽度の肺気腫群(吸気相対容積(<-950)< 15%)では、すべてのデンシトメトリーパラメーターがPFTと相関していた。
結論 限定肺で-860Hを閾値として吸気・呼気ペアMDCTで算出した相対容積変化のデンシトメトリックパラメータは、肺気腫の程度にかかわらずCOPDの気道機能障害と密接に相関していた。